ちょっと今から仕事やめてくる 読書感想文
第21回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞受賞作 『ちょっと今から仕事やめてくる』(北川恵海 著)を読んだので読書感想文を書きました。
仕事をやめたいと思ったことはありますか? 私は日頃から「仕事をやめたい」と思うことが多いです。
そんな私の目を惹くタイトルの本を見つけました。
『ちょっと今から仕事やめてくる』この強烈なタイトルが気になり思わず手にとって読んでみました。
読書メーターの方にも短い感想は書いています。
ちょっと今から仕事やめてくる みんつさんの感想 - 読書メーター
ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫) | 北川恵海 |本 | 通販 | Amazon
読書感想文
仕事をやめたいと思ったことはありますか? 私は日頃から「仕事をやめたい」と思うことが多いです。
そんな私の目を惹くタイトルの本を見つけた。『ちょっと今から仕事やめてくる』この強烈なタイトルが気になり思わず手にとって読むことにした。
主人公は印刷関係の企業に務める会社員。名前は「青山」。
ビデオを巻き戻したような、時間をひたすら消化していく毎日。どんなに頑張っても給料は横ばい。サービス残業、土曜出勤は当たり前。いわゆるブラック企業に努めているのだろう。
青山はふと学生時代の女友達の明美から聞いた「サザエさんシンドローム」の話を思い出す。
アメフト部のエースの橘先輩が入社してから三ヶ月で「サザエさんシンドローム」になったという話だ。
私は「サザエさんシンドローム」という言葉をこの本で初めて知った。鬱のようなもので、サザエさんのエンディングを聞くと人生を終えたくなるという現象のようだ。日曜日の終わりを感じて、寝て起きたら月曜になり、仕事や学校が始まってしまうからだ。
ここは非常に共感できて、実際私も日曜日はそんな気分になる。
ただ、この主人公は学生時代にはそんな話は興味は持たず、鬱とは無縁の世界だと思っていた。しかし、社会人になった今彼も同じようにサザエさんシンドロームとなっている。
いま無縁と思っていても、周りの環境や状況次第で誰にでも起こり得る問題なのかと感じた。
そして、疲弊した青山は帰りの駅のホームで無意識に飛び込んでしまいそうになる。
そんななかか現れたのが小学校の時の同級生であるという謎の男「ヤマモト」に助けられる。
ヤマモトと飲み屋にいき、意気投合して話す。
それから毎週会うようになって、ストレスも減り仕事もだんだん上手く行き始める。
仕事や悩みなどを相談して、ストレスやいくらか気分が楽になるという経験は誰にでもあるだろう。私は人付き合いが苦手な方だが、改めて支えてくれる存在や、相談できる相手がいるということは大事なことだと感じた.
物語の終盤「ちょっと今から仕事辞めてくるわ」そういって会社に行き部長に会社をやめることを伝える。
上司にいいたこと、会社に言いたいことを大きな声で伝え会社をあとにする。非常に爽快なシーンだ、そして会社を出るとかばんを振り回しながらスキップしそうな勢いで走り出す。開放感がたまらない。
実際に自分も仕事をやめたら同じような気持ちになるだろうと思い、ワクワクが止まらなかった。
青山がやめるとき言ったセリフ「次は本当にやりたいことを見つけますよ。時間がかかったっていい。ステータスなんてなくたっていい。たとえ無職になったって最後に自分の人生、後悔しないような道を見つけてみせますよ。」この言葉が印象に残っている。
今の自分はやりたいことができているのか、このままでいいのか、そんなことを考えさせられる。
私は入社以来ずっと「仕事辞めたい」と思っているが、この本を読んで背中を押してもらえた感じがした。今はまだ会社をやめれていないが、やめるときは「ちょっと今から仕事辞めてくる」そんな気持ちで、私もスキップしながら仕事をやめたい。
雑感
文体はライトで非常に読みやすかったです。
読了まで3時間ほど。
ストーリはは仕事の悩みで、人生すら終えそうになる主人公青山を、謎の同級生ヤマモトが助けてくれるものがたり。
支えてくれる存在のありがたさ、そんなことを再認識させてくれます。 そして、人生とは何なのか、この本は一つの答えを出してくれています。
また、ただ単純にヤマモトが人生を助けてくれるという話ではなく、ヤマモト自体に謎が多くてそのあたりもこの作品の面白さの一つ。
助けてくれたヤマモトの正体は何なのか?どうしてヤマモトは青山を助けるのか?
物語が進むにつれてヤマモトの謎も明らかになっていく。
そんなミステリー作品のような一面もあり飽きずに読み進めていくことができました。
仕事で疲弊してるかた、仕事をやめたいと考えてる方そんな方は読んでみても良いかもしれません。
最近続編で『ちょっと今から人生かえてくる』という本が2019/7/25に出版されています。
こちらも気になるので読んでみようと思います。